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技術情報
初期状態 プラズマ照射後
撥水 親水
接触角測定
大気圧プラズマ処理の効果を判断する目安として、最も多く用いられている
検査方法が「接触角測定」です。
対象素材の表面に水滴を落とし、素材と水滴の接点(接触点)がなす角度を
計測します。この角度の数値が小さいほど、表面が親水化している
(水との馴染みが良い)ことを示します。
正確な測定方法と注意点
正確な測定には「接触角計」という専用の計測器が必要です。
接触角計を用いると、容易に角度を計測できるだけでなく、2種類の異なる試薬
(水と別の液体など)で測定することにより、素材の表面自由エネルギーを
解析することも可能になります。
-測定時の注意点-
接触角は非常に繊細なため、正確な測定には以下の点に注意する必要があります。
水滴のサイズ
水滴が大きすぎると、重力の影響で頂上部がへこんだり、形状が
歪んだりして測定誤差が大きくなります。そのため、できるだけ小さな水滴で
計測しなければなりません。
液量の一貫性
毎回異なる液量で計測すると、誤差が大きくなります。
常に一定の液量で測定することが重要です。
簡易的な測定方法
高価な接触角計を使わずに、おおよその数値を把握する方法もあります。
1. 写真撮影による算出
注射器(できればマイクロピペット)を用いてできるだけ小さな水滴を作り、それを水平方向から写真撮影します。撮影した画像から水滴の「幅」と「高さ」の寸法を測定し、その比率から接触角を求める方法です。
2. ダイン値(ぬれ性)計測
溶液やペンタイプの試薬(ダインペンなど)を用いて、表面のぬれ性を確認する方法もあります。ただし、この方法は作業者の経験値や、素材と試薬の相性によって誤差が大きくなることがあるため注意が必要です。
< 注意 >
接触角の変化は大気圧プラズマ処理などによる素材表面に付着する有機物除去・水酸基の加飾・
素材表面分子構造の変化・活性化などにより、水の馴染みが良くなる現象です
水以外の薬剤、接着剤や塗料、油などの馴染みは、水での結果とは異なります
素材との組合せによっては、プラズマ照射によって弾いてしまうような逆の反応が起こることも
あります (素材の表面自由エネルギーと液体の表面張力とのバランスによる違いと言われています)
大気圧プラズマの採用を検討頂く際には、親水性の評価だけではなく、実際の処理にて確認頂け
ますようお願い致します


1/2θ法

1/2θ法




